演劇の宣伝にとって、ポスターやチラシは欠かせないものですが、だからといって現在のチラシ中心の宣伝方法で新たな創客につながるのか、という根源的な疑問が絶えずあります。
それを考えていくためのテキストとして、ぜひ目を通してもらいたいのが、2012年に発行された世田谷パブリックシアター『SPT08』特集「演劇のグラフィズム――最初に幕を開けるもうひとつの舞台」です。こう書くと雑誌の特集のようですが、『SPT』は一冊まるごと特集なので、単行本と同じです。
サイモン・マクバーニー演出の世田谷パブリックシアター+コンプリシテ『春琴 Shun-kin』が2013年8月1日~10日に上演されます。初演が08年で、09年再演、10年再々演で、今回が4演目になります。短期間にこれだけ再演されることはめずらしく、この作品の完成度がいかに高いかを物語っています。
世田谷パブリックシアターによる劇場のための理論誌『SPT09』が、4月8日発売されました。特集は「本棚のなかの劇場──『劇的なる本』235冊」。同誌初めての読書特集で、あえて演劇書の枠組みを外し、「演劇的発想を刺激する本」「あなたにとっての劇的なる本」を選んだそうです。