映画『この世界の片隅に』(原作/こうの史代、監督/片渕須直)を観ました。私は1988年の『火垂るの墓』『となりのトトロ』2本立てをロードショーで観ましたが、そのときの感動に近いものを感じています。2作品を同時に観て伝わるものが、『この世界の片隅に』に込められていると思いました。それも、これまでにない手法で。
いつの時代も、映画より高い料金を取りたくないといって、映画並みのチケット代にこだわる若手カンパニーがいます。気軽に観られるという点はわかりますが、メディアに記録したものを再生する映画と、同じ空間でライブで実演する演劇とは価値観が全く異なるわけで、料金だけで比較するというのは、舞台芸術の持つ付加価値を自ら否定しているようで、私は支持出来ませんでした。
制作者の植松侑子氏が、自身の経験に基づくキャリアの変遷を説明した「実感的ものがたり:もし舞台芸術制作者志望の大学生が10人いたら」を掲載しています。