コロナ禍が終息してミュージカルは活況を呈していますが、小劇場演劇は観客が思ったように戻らず、経営の厳しさに直面した2023年。ハラスメントの問題は待ったなしとなり、新劇と小劇場演劇を長年支えてきた俳優座劇場、こまばアゴラ劇場の閉館が発表されました。世界で戦火が拡大している現実の下、今年の演劇回顧記事が出揃いました。
SPAC(公益財団法人静岡県舞台芸術センター、本拠地・静岡市)には支援会員組織「SPACの会」がありますが、それとは別に新作『ばらの騎士』のクリエイションにあたり、作品の創作過程に伴走する会員制の「SPAC新作オープン・クリエーション『ばらの騎士』サロン」を募集しました。これまでSPACでは、舞台稽古を見て演出家に質問する「おためし劇場」などはありましたが、長期間の伴走企画は初めてになります。
万能グローブ ガラパゴスダイナモス(本拠地・福岡市)が、9月7日~9日に西鉄ホール(福岡・天神)で上演する『ひとんちで騒ぐな』。福岡を代表するエンタテインメント系カンパニーの初期代表作の3演目になりますが、ここで有料のアフターイベントが2回実施されます。終演後のイベントが有料というのはたいへんめずらしく、チケットは公演本編とは別に購入が必要です。
いま実施されている劇団印象-indianelephant-『ジョージ・オーウェル~沈黙の声~』のアンコール配信、これはよい企画だと思いました。2022年6月8日~12日に駅前劇場(東京・下北沢)で上演され、その後6月16日~7月7日に配信されましたが、それを23年2月24日~3月13日に再配信中です。
代役の利かない演劇公演に影を落とし続けるコロナ禍と相次ぐ訃報。新聞各紙は2022年をどう締めくくったのでしょうか。今年も産経新聞以外の演劇回顧記事が出揃いました。
関西小劇場界の大ベテラン・田口哲氏(芝居屋さんプロデュース)が、今年8月から自身のブログ「芝居屋さんの土曜日Ⅴ」で「資料集 チラシ編 小劇場・大阪 70~90年代」を連載しています。1969年12月の公演から始まり、本日現在93年11月まで進んでいます。
作品に合わせた様々な割引制度を実施しているあやめ十八番(本拠地・千葉県成田市)。前売完売もめずらしくない人気実力派でありながら、手間がかかる割引制度を大切にして、チケット料金への確固たる理念が伝わってくるカンパニーです。
毎年恒例の「年間回顧2021」を掲載しているAICT(国際演劇評論家協会)日本センター『シアターアーツ』(晩成書房)66号が届きました。会員56名から回答があり、ベスト舞台はさいたまゴールド・シアター『水の駅』でした。『シアターアーツ』はウェブサイトで劇評を随時掲載していますが、年間回顧を掲載する版だけは紙での発行を続けています。私の寄せた内容はこちらです。