「緊急舞台芸術アーカイブ+デジタルシアター支援事業」(EPAD、Emergency Performing arts Archive + Digital theatre)で対を成す、EPADポータルサイトと早稲田大学演劇博物館「Japan Digital Theatre Archives」(JDTA)。このうち、EPADポータルサイトはデジタルアーカイブの楽しみ方を紹介する機能も持っていますが、「よみもの」メニューに連載されている「ごっこめし」がユニークなのでご紹介します。
鳥公園(本拠地・東京都)が2018年5月から不定期連載している「長いチラシ」。19年11月に上演する2年ぶりの新作『終わりにする、一人と一人が丘』に向け、宣伝美術の鈴木哲生氏が主宰の西尾佳織氏と対談形式で、創作に伴走しながら宣伝美術の制作ドキュメントを伝えています。従来のチラシやポスターだけではない、そこに至るまでの過程そのものが鳥公園の魅力だということを伝えようとする試みです。
宮城県石巻市で10月に開催される「第3回いしのまき演劇祭」の情報が公開されています。「週末は、芝居を観に出かけよう!」をキャッチフレーズに、開催月の毎週末に参加団体が市内各所で上演を繰り広げます。第1回(2016年)は7月、第2回(17年)は11月の開催と、月は変わっていますがコンセプトはぶれていません。
まだチラシの現物は入手していませんが、横山拓也氏(iaku)が劇団俳優座に書き下ろす『首のないカマキリ』(5/18~6/3、東京・俳優座稽古場)の宣伝美術が、デザイナーは異なるのに、iakuのチラシテイストを踏襲しています。めずらしい事例なので記しておきます。
私が2016年で最も印象に残ったチラシは、iaku『車窓から、世界の』です。 ※画像は「CoRich舞台芸術!」の拡大版にリンクしています。
時間堂は年末の最終公演『ローザ』で解散します。その仮チラシが素敵なので紹介しておきます。並んでいるのは、これまでの全公演タイトル。そして末尾に「Jikando Theatre Company 1997 – 2016」の文字。これほど雄弁に解散を物語るチラシは、私の記憶にありません。
私が2015年で最も印象に残ったチラシは、FUKAIPRODUCE羽衣『橙色の中古車』です。 ※画像は「CoRich舞台芸術!」の拡大版にリンクしています。
制作者向けの宣伝美術ワークショップなどで、私は近所の新築分譲マンションのサイトを見ることを勧めてきました。不動産の広告など、関心がなければ普通は見ないものですが、舞台芸術の制作者には学ぶべき点があると思ったからです。