この記事は2015年12月に掲載されたものです。
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『TV Bros.』「2015年のベスト演劇」はパルコ『幕が上がる』、劇団太陽マジック『ゆらり2015』、岩井秀人×快快『再生』
充実したコラム群でサブカルチャー誌と呼んでもいい『TV Bros.』。12月19日号で「2015年のベスト演劇」が掲載されています。
3人のライターによる振り返りで、次のように表現しています。順位をつけているわけではありませんが、それぞれ最初に挙げた作品の舞台写真が掲載されていますので、これがベスト扱いです。これ以外に言及している作品もあります。
土佐有明選
- パルコ『幕が上がる』
秀逸な現代口語演劇に仕上がっていた - 月刊「根本宗子」など根本宗子の活躍
独創的な境地に達している彼女を今を見逃すべきではない - 革命アイドル暴走ちゃん『Rebirth オーストラリア凱旋ver.』
痛快かつ奇異な光景として今も脳裏に焼きついている
枡野浩一選
- 劇団太陽マジック『ゆらり2015』(9月に「TAIYO MAGIC FILM」に改名)
物語に揺さぶられたという意味で最も印象に残りました - 玉田企画『果てまでの旅』
ただただ楽しく、演劇に興味を持てない層にもウケそう - 切実『ふじきみつ彦・山内ケンジ傑作短編集』
お笑いと演劇のあいだに立つような軽やかな試み - 明日のアー『ふたりのアー』
お笑いや演劇を専業にしていない、面白い演じ手がこんなにいるのか - にがウーロン『ライスケーキパウンディングパーティ』
既存のお笑いの文脈からは微妙にずれていて、演劇の枠組みの中にもいない - ナカゴー『率いて』
今年もあらゆるお笑いのトップを走っていた - FUKAIPRODUCE羽衣『アンデルセン童話集』
オリジナル曲の作風の幅をひろげる好企画
前田隆弘選
- 岩井秀人×快快『再生』
大音量の音楽×酷使される肉体にイマジネーションを強く刺激される舞台だった - 小松台東『想いはブーン』、ブス会*『お母さんが一緒』
「地に足の着いた現代性」が織り込まれていた - ナカゴー『率いて』、切実『ふじきみつ彦・山内ケンジ傑作短編集』
「常軌を完全に逸脱した狂気と表裏一体になっている」
首都圏の方でも初耳の名前があるかと思います。新聞の回顧記事だけがすべてではありません。
演劇関係者なら、テレビ情報誌は『TV Bros.』がオススメです。なにより批判精神があるし、私の知っている演劇人は『TV Bros.』派が多いです。隔週刊テレビ情報誌でいちばん安いし。