この記事は2015年11月に掲載されたものです。
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海外フェス取材経費をクラウドファンディングで募った舞踊評論家・乗越たかお氏、目標を遥かに上回る151人・108万円の支援達成――評論を必要とする人々を可視化し、フリーランスの在り方を考える契機に
日本の演劇・舞踊界において、アーティスト・芸術団体に対する渡航費用の助成制度はありますが、評論家にはありません。研究者の調査研究に対する助成はありますが、現場と向き合う評論家に対する行動費の助成はないと思います。評論家の多くが本業を別に持ち、その収入を充てて取材活動をしているのが現状です。
そんな中、3か国の海外フェスティバル(韓国→イスラエル→シンガポール)を巡る3週間の取材経費30万円を、クラウドファンディングで集めようとした舞踊評論家・乗越たかお氏の結果が出ました。
1口1,000円~50,000円で10月28日~11月24日まで募集したのですが、なんと2日目で30万円を達成し、最終的に151人、1,077,000円が集まりました。達成率359%です。
※CF=クラウドファンディング
観客だけでなくアーティストからの支援も多く、乗越氏のこれまでの活動への評価が伺えます。乗越氏は今回の試みを「CFによって舞踊評論を必要とする人々を可視化する実験」とし、次のように記しています。
今回のCF、意外にダンス以外の人の寄付も多い。様々なフリーランスの人が、このアイデアにある種の驚きをもって支援してくれてもいる。「このアクションを通して考えてほしい」というこちらの意図が伝わっている実感があり、そこは本当に嬉しい。
これを契機にフリーランスの存在の仕方、評論のあり方、評論と読者のあり方、を考えるきっかけになる、すくなくともそういう意識を持っている人は確実にいる、という模様だ。
MotionGallery「舞踊評論家のCFは可能か!? 乗越たかお三カ国ダンス取材ツアー支援プロジェクト短期決戦スペシャル!」【9日目で寄付者が70人を突破しました!】
乗越氏は、支援者限定の「早得メルマガ」を出発前から3回発行しており、早く支援すればメルマガも多く読めることになります。これも参考になる手法でしょう。