この記事は2016年6月に掲載されたものです。
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フィルムアート社「Next Creator Book」シリーズに待望の『〈現代演劇〉のレッスン 拡がる場、越える表現』登場、創造環境の最新動向を伝える入門書

カテゴリー: 備忘録 オン 2016年6月2日

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〈現代演劇〉のレッスン (Next Creator Book)

これまでfringeでは、フィルムアート社の「Next Creator Book」シリーズから『キュレーターになる! アートを世に出す表現者』(2009年)『これからのアートマネジメント “ソーシャル・シェア”への道』(2011年)を紹介してきました。ついに、演劇そのものにフォーカスを当てた『〈現代演劇〉のレッスン 拡がる場、越える表現』が6月13日に発売されます。

元『シアターガイド』編集長の鈴木理映子氏(ライター、編集者)を編者に迎え、小劇場系の制作者・プロデューサー、演劇評論家・ライターを中心に、創造環境全体の動向を概観しています。「演劇と経済・経営」という章も設けられ、助成金制度、劇団の経営、公共劇場の経営について解説されています。このシリーズ恒例の「Q&A」では、

  • 作品選びに迷ったときは、どうすればいいですか?
  • 演劇にも、小説でいう「芥川賞」や「直木賞」ってありますか?
  • シェイクスピアの劇って観ておくべきですか?
  • 海外の演劇って日本で観られるんですか?
  • 演劇にも「言葉の壁」はあるのでしょうか?
  • 演劇って誰でもできるんですか?
  • 劇団の人たちってどのように生計を立てているのですか?
  • 演劇の経営って一般企業とどう違いますか?
  • 演劇の世界にも「キュレーター」っているんですか?

などの興味深い質問が並んでいます。これにサンプル、ハイバイなどを手掛けるプロデューサーの三好佐智子氏、ドラマトゥルクの草分けである長島確氏らがどう答えているのか、注目です。

アーティストやカンパニーを紹介するガイド本とは異なりますが、最新の創造環境を理解する入門書になると思われます。

なお、創造環境の理解には、米屋尚子著『演劇は仕事になるのか? 演劇の経済的側面とその未来』(彩流社、2011年)も必読です。未読の方は併せてお読みください。

〈現代演劇〉のレッスン (Next Creator Book)
平田 オリザ 相馬 千秋 藤井 慎太郎 岩城 京子 森山 直人 大堀 久美子 藤原 ちから 島貫 泰介 さやわか 林 立騎 片山 正夫 田嶋 結菜 松井 憲太郎 三好 佐智子 長島 確 鈴木 理映子
フィルムアート社 (2016-06-14)
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演劇は仕事になるのか?: 演劇の経済的側面とその未来
米屋 尚子
彩流社
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(参考)
fringe「いま入手出来る、制作者が絶対に読んでおくべき演劇関連書10冊」

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