短期的な目標や見返りを求めないコミュニティ「松井周の標本室」が東京芸術文化創造発信助成の3年助成に採択

in 備忘録 on 2020年5月22日

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アーツカウンシル東京「東京芸術文化創造発信助成」は、公演だけでなく創造環境整備やその両方を組み合わせたプロジェクトも対象となるユニークな内容で、毎年採択結果に注目しています。特に創造環境整備に対する補助率が2/3に引き上げられた2015年度からは、話題となる活動が目立ってきました。

5月11日に結果発表された20年度長期助成プログラムでは、創造環境整備(芸術創造環境の向上に資する活動)で有限会社quinadaの「松井周の標本室」が採択。これは松井周氏(サンプル主宰)が「『演劇』を通して世の中に思いを巡らすためのスタディ・グループ」を募集し、メンバー自身のリサーチや創作実験を重ねていくもの。コンセプトが魅力的なので紹介します。

生産性や経済効果、短期的な目標や見返りについて考えないですむコミュニティがあっても良いと考えます。
知的好奇心によってつながった人たちがサンプル(標本)を持って集まり、話し、さらに新しい好奇心を生み出すような「かまど」ができます。

答えを出すのではなく、そこに集えば何らかの「熱」を感じられるような場所、
それぞれが持ち寄った情報も知恵もふるまいも、共有することで「熱」に変わり 直接的な解決のためではなく、迂回して問題を考えるような緩衝地帯としての場所を作りましょう。

サンプル公式サイト「スタディ・グループ『松井周の標本室』を始めます!!」

具体的には月1回のオンラインミーティング「温室」、年4回程度のオフラインイベント「路地」(トークイベント、読書会、遠足、稽古見学など)を企画しています。毎年40名程度を募集し、第1期は応募多数により選考が行なわれたようです。メンバーには角ひろみ氏、藤原佳奈氏の名前も。

新型コロナウイルスの影響で、「松井周の標本室」も第1回トークショーを配信に変更を余儀なくされていますが、逆に無料配信することで広がりも見せています。3年目には演劇作品の発表へとつなげていくようですが、こうしたサロン的な活動自体が助成対象になるのは、めずらしいと思います。ネーミングやコンセプトも、この手があったかと刺激を受けるプロジェクトです。

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