セゾン文化財団2016年度助成事業決定、初めて自治体の外郭団体(横浜市芸術文化振興財団)に助成して「舞台芸術の観客拡大策」実施、新規シニア・フェローにトリコ・Aプロデュースの山口茜氏

in 備忘録 on 2016年2月21日

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公益財団法人セゾン文化財団の2016年度事業計画が発表されました。「現代演劇・舞踊対象公募プログラム」採択結果を含む内容が1月18日開催の同財団理事会で決定され、同日付にバックデートしてリリースが発送されています。本日(2/21)現在、公式サイトは未掲載ですが、近日中に詳細が掲載されるものと思います。

制作者注目の新プログラム、「創造環境イノベーション」の結果は次のとおりです。

応募 採択 採択率
課題解決支援「舞台芸術の観客拡大策」 5件 2件 40%
スタートアップ支援 15件 7件 47%

(課題解決支援「舞台芸術の観客拡大策」)

  • 特定非営利活動法人劇研(開催地:京都)
    「京都の観光産業と劇場および舞台芸術フェスティバルとのネットワークの確立」
    助成:135万円

  • 公益財団法人横浜市芸術文化振興財団(開催地:神奈川)
    「ダンスと企業を繋ぐ観客創造プログラム(仮称)」
    助成:180万円

劇研は観光産業関係者と研究会を開催し、宿泊施設と劇場・フェスティバル間の「予約ホットライン」を設置するものです。観光客が急増している京都で、舞台芸術が観光資源になることを目指します。

横浜市芸術文化振興財団は振付家・ダンサーを企業に派遣し、ワークショップを経て、企業の広報宣伝ツールとなる映像を制作・配信するものです。近年はYoutubeで従業員によるダンス映像が注目されることも多く、それにヒントを得たものと思います。劇場業務体験、公演鑑賞も行ないます。

セゾン文化財団は、これまで民間への支援を鮮明に打ち出しており、自治体の外郭団体への助成はこれが初めてです。15年度は「舞台芸術の観客拡大策に関する研究会」を開催し、「官民を問わず、公共性を持った劇場の、観客拡大の手法について議論」したことも影響しているのでしょう。研究会ではモデルケースとしてアトリエ劇研と「横浜ダンスコレクション2016」を取り上げており、今回の採択結果はその運者者・主催者となっています。

(スタートアップ支援)

《新規採択》(敬称略)

  • 特定非営利活動法人アートネットワーク・ジャパン(開催地:東京)
    「立川市南側エリア創客プロジェクト」
    助成:100万円

  • 姜侖秀カンユンス(開催地:岡山)
    「インターナショナル・シェアハウス『テ(照)ラス』」
    助成:100万円

アートネットワーク・ジャパンは、昨年9月に本格オープンした文化創造活動拠点「たちかわ創造舎」の管理運営をしていますが、継続的な演劇体験や地元関係者との協働を図るため、立川市の公共施設と連携した演劇事業を行なうものです。

姜侖秀氏は、14年開催の「中房総国際芸術祭いちはらアート×ミックス」(千葉県市原市)でも廃校を活用したインスタレーションと公演を行ないましたが、昨年7月に岡山県真庭市の地域おこし協力隊員に着任。空き家をシェアハウスに改装し、アーティストと共に創作活動やアウトリーチを行なうものです。

《継続採択》

  • アジア女性舞台芸術会議実行委員会(開催地:東京、京都)(2年度目)
    助成:50万円

  • 特定非営利活動法人Explat(開催地:東京)(2年度目)
    助成:100万円

  • クリエイティブ・アート実行委員会(開催地:東京、神奈川)(3年度目)
    助成:100万円+森下スタジオ貸与

  • 特定非営利活動法人芸術公社(開催地:東京、他)(2年度目)
    助成:50万円

  • 特定非営利活動法人シアター・アクセシビリティ・ネットワーク(東京)(3年度目)
    助成:100万円+森下スタジオ貸与

Explatは16年度に有料職業紹介事業許可を取得し、マッチングサービスを開始するとのことです。

セゾン・フェローは新規対象者のみ記載します(敬称略)。

ジュニア・フェロー新規対象者(年間100万円を原則2年間継続助成)

  • 木ノ下裕一(演劇/京都)※再フェロー
  • 篠田千明(演劇/東京・バンコク)
  • スズキ拓朗(舞踊/東京)
  • 関かおり(舞踊/東京)※再フェロー
  • 谷賢一(演劇/東京)
  • 三浦直之(演劇/東京)
  • 村川拓也(演劇/京都)※再フェロー

シニア・フェロー新規対象者(年間250万円を原則3年間継続助成)

  • 東野祥子(舞踊/京都)※Dance Company BABY-Q時代に旧「芸術創造活動」で助成
  • 山口茜(演劇/京都)

トリコ・Aプロデュースの山口茜氏が、セゾン文化財団に初めて採択されました。実績のある中堅がシニア・フェローに採択されたわけで、地域で活動を続ける演劇人も勇気づけられる結果だと思います。サファリ・P『欲望という名の電車』上演権の交渉では不手際がありましたが、プロデューサーとして制作面の研鑽もお願いします。

なお、送付されたリリースでは、ジュニア・フェロー継続対象者3名が掲載されていません(3ページ下に空白があるのはそのため)。カウントすると23件中20件しか掲載されていないので、単純な印刷ミスと思われますが、リリースを受け取られた方はご注意ください。

(参考)
「セゾン文化財団『現代演劇・舞踊対象公募プログラム』が『創造環境整備』を『創造環境イノベーション』に刷新して募集開始、2016年度『課題解決支援』テーマは『舞台芸術の観客拡大策』」

(2016年2月24日追記)

リリースの訂正が2月24日に届きました。

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