この記事は2013年6月に掲載されたものです。
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映画専門大学院大学サイトがあるうちに、チャリT企画の動員を詳細に分析した木原未緒氏の論文をダウンロードしておこう

カテゴリー: 備忘録 オン 2013年6月11日

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2012年3月に発行された映画専門大学院大学紀要『Cre Biz クリエイティブ産業におけるビジネス研究』7号に、社会人入学した木原未緒氏の論文「小劇場演劇の課題と可能性――劇団チャリT企画ケーススタディ――」が掲載されています。木原氏は映画興行・配給会社のティ・ジョイ勤務ですが、この取材がきっかけで、11年からチャリT企画の製作集団「team.CTK」に制作者として参加しています。

論文ではチャリT企画の動員集計やチケット売上を詳細に分析しており、この規模のカンパニーで具体的な数字がここまで公表されるのは、ネット上の資料では初めてではないかと思います。劇団員と客演の手売り枚数比較、公式サイトやTwitterの影響推移など、ここでしか読めない事例です。

目標の動員1,000名を達成した11年の『ネズミ狩り』再演を中心に分析しているので、1,000名を目指すカンパニーには非常に参考になるでしょう。自信作の再演で1,000名を突破した典型的パターンで、リアルな数字に納得です。公演後半に発生した東日本大震災の影響も含めて、参考になります。

小劇場演劇が“運”と“才能”であるという理解がされ続けてしまうとしても、総体としての需要感度は高まっている可能性はあり、筆者としては、個々の事例の積み上げだとしても、論理構築を繰り返すことによって、“運”の確率を上げることに寄与していきたいと考えている。

木原未緒著「小劇場演劇の課題と可能性――劇団チャリT企画ケーススタディ――」『Cre Biz』7号p.120(映画専門大学院大学、2012年)

映画専門大学院大学は閉校の準備を進めており、公式サイトもいずれなくなると思われます。ダウンロードはいまのうちに。

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