この記事は2015年1月に掲載されたものです。
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ロールモデルのない世界で、社会に出てからどうやって舞台制作に関わり続けるかを話し合うNext「制作塾オープンサロン」が意義深い
Next(ネビュラエクストラサポート)が1月30日に開催する制作塾オープンサロン「学生座談会+α 卒業後も舞台制作に関わるために」は、とてもよい企画だと思います。Nextがこれまで開催した企画の中で、いちばん意義があるんじゃないかな。
Next 制作手帖「制作塾オープンサロン第7回 | 学生座談会+α 卒業後も舞台制作に関わるために」
卒業後のキャリア形成を紹介するイベントなら過去にもありましたが、舞台制作のロールモデルが確立していないことを大前提に、例えば他業界に一度就職してからのリターンなど、人それぞれのシミュレーションを20年スパンで考えようという趣旨のようです。
ご存知のとおり、アートマネジメントを教える大学は増えているのに、その受け皿となる新卒の就職先は非常に限られており、劇場や制作会社も、即戦力となる経験者を有期雇用や業務委託するのが現実です。
岸正人氏(あうるすぽっと支配人)が朝日新聞1月4日付「私の視点」に、「文化施設 人材育成や長期的雇用を」を寄稿しています。これが公共ホールの実態であり、劇場法を活かそうにも人材がいないわけです。
朝日新聞デジタル「(私の視点)文化施設 人材育成や長期的雇用を 岸正人」 ※要会員登録
こうした現状では、劇場や制作会社で働くことだけを考えるのではなく、あらゆる可能性を追求してほしいと思います。無関係に思える業界に一度就職し、そのノウハウを持ち帰ったり、新しいビジネスモデルで起業する余地が、まだまだ舞台制作の世界にはあると感じます。そんな勇気をくれる場に、このサロンがなってほしいと思います。
「こんな企画が自分の学生時代にあったらな」と思った方は多いのではないでしょうか。