この記事は2015年6月に掲載されたものです。
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制作者になることはゴールではなくスタートだ、アーティストの発掘こそが制作者の原点だ

カテゴリー: 備忘録 オン 2015年6月18日

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「Nextがこれまで開催した企画の中で、いちばん意義があるんじゃないかな」と書いたNext制作塾オープンサロン「学生座談会+α 卒業後も舞台制作に関わるために」のリポートが、6月10日掲載されました。

舞台制作PLUS+/Next舞台制作塾「卒業後も舞台制作に関わり続ける20年間を考える・話す 学生座談会+αレポート」

学生向けのサロンで、就職という直近のテーマではなく、人生を通して舞台制作とどのように関わっていくかという長期的なアプローチに徹したことは、とてもよかったのではないでしょうか。その分、学生にとってはハードルが高かったとは思いますが。

キャリアデザインの議論をするときに忘れてはならないのは、その仕事に就くということは、ゴールではなくスタートだということです。制作者を名乗るのは簡単ですが、持続することは難しく、問われるのはゴール(結果)です。そのためにはどこからスタートしてもいいし、他人とは違う裏道を行ってもいいわけです。新卒で舞台制作を「業」にすることだけが正解ではない、ということは強調しておきたいと思います。全く違う世界、例えば金融業界からの転職者も制作者には意外に多いと思います。

もう1点気になったのが、こうした学生たちは具体的にサポートしたいアーティストがいるのだろうか、ということです。現在活躍している制作者の多くは、カンパニー付きの制作者からキャリアをスタートし、そこから起業や公共ホール勤務へつながっています。世に送り出したいアーティストがいたからこそ、それがモチベーションになって苦しい時代を乗り越え、やりたいことをやりきったからこそ公共ホールに転身したのです。

現在のように最初から制作者の就職先が整備されていると、そのハングリーさを失って、結果的に30歳過ぎの離職につながるのではないかと思います。制作者の職能が確立し、新卒の就職先が確保されたり、公共ホールのインターンシップが整備されるのは進歩ですが、アーティストの発掘こそが制作者の原点であることを忘れないでほしいと思います。

リポートでも触れられていますが、計画どおりに進む人生なんてありません。挫折する中で、日々折り合いをつけながら選択を繰り返すのが社会人でしょう。自分のゴールを思い描き、どんなルートでもいいから、そこへ近づけるよう行動するしかありません。もしかしたら、そのゴールを実現出来るのは制作者という職種ではないかも知れません。こうしたサロンでは、そういう視点も提供してあげてほしいと思います。

「舞台芸術にコミットする方法は決して真正面からだけではない」もぜひ読んでみてください。

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