この記事は2015年11月に掲載されたものです。
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京都・アトリエ劇研が2017年8月末閉館を発表、あごうさとしディレクターが描く劇場支援会員制度の全国的な共有はどうなってしまうのか
アトリエ劇研(京都・下鴨)が2017年8月末で閉館することを、公式サイトで11月20日発表しました。
アトリエ劇研は、2017年8月末をもって閉館いたします。
残り2年足らずの月日ではございますが、かわらぬご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。
同劇場は1984年に
名実共に京都を代表する小劇場ですが、内実はかなり厳しいようです。2010年度に約1万人だった来館者は、2014年度に5,544人まで落ち込んでいます。あごう氏が今年2月に寄稿したセゾン文化財団ニュースレター「viewpoint」No.70を読むと、あごう氏が就任後打ち出した様々な施策が「365日開かれた劇場」に変えるための戦略だったことがわかります。
あごうさとし「京都アトリエ劇研――地方の民間劇場の取り組み」
(セゾン文化財団ニュースレター「viewpoint」No.70)
今年度創設した劇場支援会員制度は、各施策によって減少する劇場使用料を安定させるためのもので、こまばアゴラ劇場(東京・駒場)の支援会員制度と共有し、双方の会員(アトリエ劇研側は「共有会員」であることが条件)は両劇場を観劇出来る画期的なものです。寄稿によると、この制度への参加打診が複数劇場からあると書かれており、全国的な支援会員制度の共有と公演ネットワークづくりが進もうとしていた矢先の閉館発表となります。
アトリエ劇研閉館は単に地域の小劇場のクローズというだけでなく、あごう氏が描いた壮大な未来戦略も停滞させてしまうのでしょうか。