この記事は2018年4月に掲載されたものです。
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実際の劇場を使って超実践的カリキュラムを組んだ劇団6番シード群馬事務所「舞台制作講座」が間もなく開講
劇団6番シード(本拠地・東京都豊島区)の票券管理団体である合同会社劇団6番シード群馬事務所(群馬県太田市)が、4月24日~29日にフリースペース「犀の穴」(東京・十条)で開催する「舞台制作講座」が来週に迫りました。公演に付随したインターンシップではなく、講座のためだけに劇場を使うのは非常にめずらしく、記録に残す価値があると考えます。
講座は次の9コースで、連日早朝から夜間まで計64クラス用意されています。劇場の各場所に分かれ、同じ時間帯に最大3クラスが同時開催されます。このため、講師も計5名で担当します。
- 体験1(標準的な客席づくり体験+場内担当の動き体験)120分
- 体験2(標準的な受付づくり体験+受付担当の動き体験)120分
- 体験3(標準的な楽屋づくり体験+楽屋担当の動き体験)120分
- 実践1(来場人数に合わせた客席づくり体験+様々な場内案内体験)120分
- 実践2(来場人数に合わせた受付準備体験+様々な受付・集計体験)120分
- 中級1(当日運営のプランづくり講義・体験)120分
- 中級2(当日運営チーフの動き方講義・体験)120分)
- 講義1(小劇場における当日運営の考え方講義)90分
- 講義2(小劇場における物販の考え方講義)90分
体験1~3は初心者向けの基礎、実践1~2はシナリオに基づいた臨機応変の対応、中級1~2は実際に当日運営チーフになるための座学と体験、講義1~2は演劇関係者向けとなるようですが、学生の参加も歓迎しています。料金は各コース2,500円~4,000円で、コースによって差がつけられています。全コース受講すると27,500円です。
体験・実践で扱う内容は、実際の公演でも学ぶことが出来ると思いますが、それだと本番がいきなり練習の場になってしまい、シミュレーション出来る制作講座が求められていたと思います。コース内容を見ればわかるとおり、場内整理だけでも体験+実践で240分を割いており、一つのパートを担当するだけでも、本来はこれくらいの研修が必要だということです。
実際に講座内容を拝見しているわけではありませんが、場内整理を客席づくりとセットで体験させているということは、見切れや遅れ客への対応を習得させることを目的としているのだと思いますし、「来場人数に合わせた」と明記していることは、キャパや当日精算のボリュームに合わせた対応が学べるのだと思います。
他の演劇制作講座では見ることの少ない楽屋担当や物販のコースが設けられているのも興味深いです。楽屋担当は、当日運営の領域で最も俳優に寄り添うデリケートな役割で、特殊な資質が求められます。制作者でも向き不向きがはっきりしている役割で、こうした講座で概要を知ることが出来るのは貴重だと思います。物販も本来は上流の商品企画から、当日どうすれば販促につながるのかまで、とても幅広い領域です。関係者向けのコースに設定されていることに好感を覚えます。
下記のようなテキストも配られるようです。
教科書の試作品。 pic.twitter.com/S5Kh6IkcaO
— 島崎 翼 (@enuei0330) 2018年3月20日