京都・アトリエ劇研が2017年8月末閉館を発表、あごうさとしディレクターが描く劇場支援会員制度の全国的な共有はどうなってしまうのか

in 備忘録 on 2015年11月22日

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アトリエ劇研(京都・下鴨)が2017年8月末で閉館することを、公式サイトで11月20日発表しました。

アトリエ劇研は、2017年8月末をもって閉館いたします。
残り2年足らずの月日ではございますが、かわらぬご愛顧の程よろしくお願い申し上げます。

アトリエ劇研公式サイト

同劇場は1984年に波多野茂彌はたのしげや氏の自宅を改装し、故・遠藤寿美子氏がプロデューサーを務める「アートスペース無門館」としてオープン。95年に役割を終えたとして閉館しましたが、96年より波多野氏が館長となり、若い世代が運営する「アトリエ劇研」として再オープンしました。このメンバーを中心に2003年に特定非営利活動法人劇研として法人化され(14年には認定特定非営利活動法人格取得)、08年8月からは芸術監督(ディレクター)制を導入。田辺剛氏が2期6年務めたあと、14年9月からあごうさとし氏が就任しています。17年8月末はその1期目終了となります。

名実共に京都を代表する小劇場ですが、内実はかなり厳しいようです。2010年度に約1万人だった来館者は、2014年度に5,544人まで落ち込んでいます。あごう氏が今年2月に寄稿したセゾン文化財団ニュースレター「viewpoint」No.70を読むと、あごう氏が就任後打ち出した様々な施策が「365日開かれた劇場」に変えるための戦略だったことがわかります。

あごうさとし「京都アトリエ劇研――地方の民間劇場の取り組み」
(セゾン文化財団ニュースレター「viewpoint」No.70)

今年度創設した劇場支援会員制度は、各施策によって減少する劇場使用料を安定させるためのもので、こまばアゴラ劇場(東京・駒場)の支援会員制度と共有し、双方の会員(アトリエ劇研側は「共有会員」であることが条件)は両劇場を観劇出来る画期的なものです。寄稿によると、この制度への参加打診が複数劇場からあると書かれており、全国的な支援会員制度の共有と公演ネットワークづくりが進もうとしていた矢先の閉館発表となります。

アトリエ劇研閉館は単に地域の小劇場のクローズというだけでなく、あごう氏が描いた壮大な未来戦略も停滞させてしまうのでしょうか。

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