にしすがも創造舎12年の「記憶」を「記録」へ。東京の稽古場施設の先駆けとなったナレッジを、いまこそ次代へ伝えよう

in 備忘録 on 2016年10月8日

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にしすがも創造舎

演劇は媒体に保存されず、消えていくのが美学の表現です。同時代の人間の胸に迫りますが、一方でなんらかの記録に残したいという思いにかられることがあります。演劇人にとって、演劇のアーカイブは永遠のテーマかも知れません。

2016年末で、東京の稽古場施設の先駆けとなった「にしすがも創造舎」(東京・西巣鴨)が事業終了となります。京都芸術センター(京都・四条烏丸)を先達とし、小劇場系カンパニーにとって、安価に長期占有出来る夢の施設でした。レジデントアーティストを定着させ、観客には東京国際芸術祭F/T(フェスティバル/トーキョー)の主会場として知られました。こうした軌跡をドキュメントに残すべく、運営するNPO法人アートネットワーク・ジャパン(ANJ)の蓮池奈緒子理事長がクラウドファンディングを募集中です。

READYFOR「にしすがも創造舎12年の記憶をドキュメント冊子にして残したい!」

豊島区と地元の理解、金融機関(日本政策投資銀行、巣鴨信用金庫)の支援、倉迫康史氏(Ort-d.d、現・Theatre Ort)を始めとする優れたアーティストとの出会いなど、様々な努力と幸運が重なって実現したにしすがも創造舎は、全国で廃校の利活用を模索する人々にとって、貴重な成功事例になるものと思います。施設こそ自治体からの無償貸与ですが、体育館を商業演劇の稽古場とし、その収入で教室を小劇場系の稽古場にしたスキームは、広く知られるべきだと思います。

ウェブ上でドキュメントを無料公開することが目的なので、支援者へのリターンはどうでもいいのですが、5万円の支援で蓮池氏が「にしすがも創造舎について講演」してくれるそうです。当然「F/Tの裏話」も語っていただけると思いますので、この5万円を上手に使えば、得難い機会が生まれるのではないでしょうか。

観客は劇場の閉館は惜しみますが、クリエイションの本当の現場は稽古場です。東京の小劇場シーンを支えてきた稽古場施設の終了こそ、注目していただきたいと思います。ここで稽古をした作品一覧を掲示すれば、観客は心を鷲掴みにされるのではないでしょうか。

目標金額は100万円。「READYFOR」は「All or Nothing方式」のコンセプト・ファンディングなので、支援金額が目標に到達しなければ全額返金され、プロジェクトは成立しません。東京のアーツセンターはここから始まりました。その先駆者を記録に残すため、ご支援をお願いいたします。11月1日23時締切です。

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