この記事は2017年1月に掲載されたものです。
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アーティスティック系カンパニーの物販は、原価率が低いグッズを支援目的で置けばいい

カテゴリー: TIPS オン 2017年1月10日

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劇場での物販で思うのが、観客が支援代わりに気軽に買えるグッズが少ないことです。チケット代以上の価値があると思った作品に出会ったとき、このカンパニーにもう少しお金を落としたいという気持ちになる観客がいるはずですが、現金をカンパするわけにもいきませんので、ちょっとしたグッズがあればよいと思うのです。

戯曲を売っていると言われるかも知れませんが、一般客が戯曲を買う習慣はほとんどないと思います。一般客が記念に買いたいと思うのは有料パンフレットですが、印刷代は安くなっていても、編集やデザインの費用を考えると原価率が高くなり、売れ残りのリスクもあるでしょう。動員力のあるカンパニーでないと厳しいと思います。

もっと手軽に、カンパニーへの支援を形に表わしたものとして、缶バッジやクリアファイルはどうでしょう。原価は初回ロット300なら、一般的な直径32mm缶バッジなら50円前後、A4クリアファイル両面印刷なら90円前後が現在の相場かと思います(色校代、個別包装代等は含まず)。例えばこのセットを1,000円で販売すれば、単純計算で860円の利益になります。

高すぎると思うかも知れませんが、美術展などで支援目的の缶バッジやクリアファイルが販売されているのを見かけます。支援なので、その分が上乗せされても文句を言う人はいません。逆に支援であることを謳えば、作品を気に入った観客が購入するのではないでしょうか。デザインも上演作品に特化したものでなければ、売れ残っても継続販売すればいいですし、それがリスクにならない原価だと思います。

エンタテインメント系カンパニーでは、物販を大きな収入源と考えた展開をしていきますが、客層の異なるアーティスティック系カンパニーでは、上演作品に特化したものや原価率が高いものはリスクがあります。原価率が低いものを支援目的で販売したほうが、観客のハートをつかむのではないでしょうか。

受付に支援グッズを置いておけば、受付時に一緒に購入してくれる一般客もいるかも知れません。

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