この記事は2020年7月に掲載されたものです。
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東京・世田谷美術館「作品のない展示室」で開館以来のパフォーマンス作品アーカイブを紹介

カテゴリー: 備忘録 オン 2020年7月5日

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NOISE『NIPPON・CHA!CHA!CHA!』

6月2日から再開した世田谷美術館(東京・砧公園)では、収蔵作品のコレクション展は開催されていますが、新型コロナウイルスの影響で作品の借用が困難になり、企画展に大きな支障が出ています。今後の「年間スケジュール」を見ても、企画展は白紙の状況です。

そこで7月4日から8月27日まで開催されるのが、企画展「作品のない展示室」。「まったく将来の見通しが立てにくい状態」を考慮し、広大な砧公園内に建てられた同美術館の1階展示室を無料開放し、窓からの風景と共に、ここで開催された展覧会を思い浮かべてほしいというものです。

企画展の最終パートでは「建築と自然とパフォーマンス」を特集し、1986年の開館以来行なわれてきたダンスや音楽のパフォーマンス約400本から46本を選び、記録映像や記録写真のスライドショー、当時のチラシなどで振り返ります。

同美術館のパフォーマンスと言えば、エントランスホールで開催される「トランス/エントランス」(2005年~)を思い浮かべる方が多いと思いますが、講堂や前庭も使われており、「パンフレットPDF」を見ると実に多彩な企画が実施されています。中でも野外劇となったNOISE『NIPPON・CHA!CHA!CHA!』(作・演出/如月小春)初演(1988年)は、小劇場演劇の歴史に残るものでしょう(東京・5/11~5/16=世田谷美術館野外、大阪・5/20~5/23=扇町ミュージアムスクエア、名古屋・5/25~5/26=電気文化会館イベントホール)。

同美術館学芸員の塚田美紀氏は、「文化政策提言ネットワーク(CPネット):情報掲示板」で、こう記しています。

展覧会とは異なり、こうしたパフォーマンスの記録をきちんと残すことにはなかなか手が回らず、残したとしても、整理して紹介する機会はこれまで得られませんでした。コロナをきっかけに立ち止まることで、実現した試みです。

「文化政策提言ネットワーク(CPネット):情報掲示板」

建築自体が作品であり、公園と一体となった同美術館で、これまでの公演に思いを馳せてみませんか。

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