大阪市立芸術創造館「芸創ナイトシアター」で平日公演の可能性を再発見

カテゴリー: 備忘録 オン 2022年9月25日

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4PiG『鳥の名前の少年 あるいは、ある小惑星探査機の冒険』

2022年4月から指定管理者が変わった大阪市立芸術創造館(大阪・千林大宮)が、9月から「芸創ナイトシアター」と銘打った平日ソワレの上演企画を始めました。中堅以上の実力派アーティストが参加し、「『平日の夜限定で』『お手軽にさくっと』『バラエティー豊かな』演劇と出会える場をつくりたい」とのことです。

第1弾は4PiG(4 Projection in Geiso)『鳥の名前の少年 あるいは、ある小惑星探査機の冒険』(9/21、9/27~9/28)で、左右奥3面+床面をスクリーンとした「4面プロジェクション」の中での上演で、作・演出はオカモト國ヒコ氏、映像はサカイヒロト氏が手掛けます。元々は11年にオカモト氏が小惑星探査機「はやぶさ」をモチーフにNHK-FMに書いたオーディオドラマですが、ラジオと舞台は共にリスナー・観客の想像力が試される世界で、とても相性がよいと感じます。

コトリ会議『全部あったかいものは』ただいま、そして行ってきます試演会

第2弾はコトリ会議『全部あったかいものは』ただいま、そして行ってきます試演会(10/3)で、東京公演と豊岡公演の合間に、1ステだけ上演します。試演会としているのは、「照明や⾳響や美術はなく俳優の演技とその環境を活かした演出」にしているためで、料金も一律1,000円に抑えました。ツアーが始まってから試演会をやるという逆転の発想で、日程の関係で公演が難しい場合に目から鱗の方法ではないでしょうか。

4PiGは前日から仕込んでいるようですが、コトリ会議は前日まで別団体が利用しているので乗り打ちだと思います。こうした条件をネガティブにとらえず、その状況でなにが出来るかを考え、新しい魅力を引き出していくことで、演劇の可能性を再発見させてくれる企画だと思いました。その劇場を知り尽くした中堅以上だからこそ出来ることですが、週の前半が空いてしまいがちな地域の劇場に求められる発想ではないでしょうか。

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