この記事は2021年8月に掲載されたものです。
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まつもと演劇祭が他地域2カンパニーをライブビューイングの形で招聘、小劇場演劇でも実現可能な試みに注目
1987年開始の「まつもと現代演劇フェスティバル」から現在の「まつもと演劇祭」へ、綿々と地域演劇祭の歴史が続く長野県松本市。それが昨年コロナ禍で途切れ、今年に延期となりました。
現在の「まつもと演劇祭」は地元と他地域のカンパニーによる競演、週末の同時多発上演が特徴で、例年なら10団体ほどの参加がありますが、今年はコロナ禍で規模を縮小し、地元から3団体が上演、他地域から2団体がライブビューイングでの参加となりました。
- ブルーエゴナク『眺め』(本拠地・北九州市)
10/9(土)14:00 京都公演(THEATRE E9 KYOTO)をライブ配信 - TEAM SPOT JUMBLE『6 -six-』(本拠地・沖縄県宜野湾市)
10/10(日)13:00 那覇公演(アトリエ銘苅ベース)をライブ配信
ライブビューイングは、他地域の劇場で公演している本番をそのままライブ配信するもので、松本側の会場は信毎メディアガーデン(キャパ50名)となります。同演劇祭のパスポート、単券、連携する「FESTA松本」の半券提示で観劇可能です。
ライブビューイングの多くは映画館が会場になるため、規模が限られる小劇場演劇では配信自体がこれまで困難でした。それを他地域からカンパニーを招聘してきた演劇祭の歴史と組み合わせることにより、今回実現したことになります。これを発展させれば、規模の小さなカンパニーでも全国の小劇場を結んだライブビューイングの可能性が開けるかも知れません。
コロナ禍以前より、演劇の魅力を出来るだけ保持したまま届ける手段としては、個人への配信ではなく、会場を使ったライブビューイングだと感じていましたので、この試みに注目したいと思います。