この記事は2016年8月に掲載されたものです。
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熊本・ゼロソーのアトリエ「花習舎」で今秋開催の「カシューナッツ12帖演劇祭」、制作母体・Sulcambas!が購入型ではない寄付型のクラウドファンディングで100万円以上調達。熊本地震で休館が多い地元に演劇を届ける
ゼロソー(本拠地・熊本市)が2015年に設立したアトリエ「花習舎」(熊本・健軍)で、昨秋から開催されている「カシューナッツ12帖演劇祭」。第1回は東京・福岡からの参加を含め、5団体23ステージが行なわれました。第2回は東京・北九州からの参加を含め、4団体で10月末~11月第3週に予定されています。アトリエ設立から演劇祭開催までの経緯は「möla!」が詳しいです。
第1回は熊本県の「平成27年度新たな芸術文化発掘事業(ヌーヴェルヴァーグくまもと)補助事業」に採択され、70万円の助成金が出ましたが、今年は熊本地震の影響で助成金募集が未定となっています。劇場の休館が目立つ地元に演劇を届けるため、今年のチケット代は昨年の半額以下にするとしており、資金調達が課題でした。
このため、ゼロソーの制作母体「Sulcambas!」(サルカンバ!)の松岡優子氏が、「READYFOR」を使ったクラウドファンディングを6月8日から開始。目標額は115万円とし、同サイトは手数料17%なので実質954,500円を目指しました。その結果、期日の7月31日までに78名から1,223,000円の支援が集まり、ファンドが成立しました。実質1,015,090円になります。
READYFOR「熊本に笑顔を!アトリエ花習舎でちっちゃな演劇祭を開催したい!」
注目すべきは、日本のクラウドファンディングで用いられる「購入型」ではなく、リターンのない純粋な「寄付型」のコースも設け、支援者は寄付型のほうが多かったことです。購入型も3,000円はお礼の手紙と当日パンフレットへの氏名掲載だけで、寄付型に近いと言っていいでしょう。公演の招待は付いていません。
震災の支援ということもありますが、通常のクラウドファンディングもリターンより支援自体が目的のはずですから、こうした寄付型を設けることは重要ではないでしょうか。
支援額 | 購入型 | 寄付型 |
3,000円 | 21名 | ― |
10,000円 | 17名 | 36名 |
30,000円 | 0名 | 8名 |
50,000円 | 4名 | 2名 |
100,000円 | ― | 1名 |
合計人数 | 42名 | 47名 |
合計金額 | 433,000円 | 800,000円 |
「READYFOR」で表示されている合計と差異がありますが、本日現在、各コースの支援者数を積み上げるとこの数字になります。同一人物が複数コースに支援したり、締切後に追加支援をしているのかも知れません。
寄付型なら寄付収入に出来ますので、任意団体の場合は同一人物から年間110万円まで非課税なので、課税対象になることはまずないでしょう。購入型で販売収入と見なされるより、有利なのではないでしょうか。任意団体ではない個人の場合は、相手の人数に関わらず、年間合計が110万円を超えると贈与税の対象になりますので、ご注意ください。