この記事は2018年7月に掲載されたものです。
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「札幌観劇人の語り場」で異彩を放つ企画コーナー「マサコさんの部屋」。なるほど、あの人が書いていたのか
オープンから1年経った「札幌観劇人の語り場」。ここで異彩を放つのが、「マサコさんの部屋」という企画コーナーです。
このサイトの寄稿者である「マサコさん」は、オープン後から辛口のレビューを書いている方で、東京にも頻繁に足を伸ばし、演劇人とも直接連絡を取っているなど、観客の域を超えた行動力が目立ちます。どんな方なんだろうと思っていたら、第66回全道高等学校演劇発表大会で審査員を務めたとの記述があり、そこから調べてわかりました。なるほどという感じです。
「マサコさん」が本領を発揮し始めたのが、昨年11月の和田研一氏(BLOCH代表)への特別寄稿「新人賞から見える若手事情 ―BLOCH支配人に聞いてみた―」。今年からは、「マサコさんの部屋」という独立した企画コーナーを持つようになりました。
最初の2回は札幌公演と関連づけたレビュー&プレビューでしたが、3回目に爆発します。なんと、山田百次氏(劇団野の上、ホエイ)に北海道大学のカフェでホエイを食べてもらうという企画。
「札幌座『暴雪圏』出演のホエイ 山田百次と『北大マルシェ カフェ&ラボでホエーとモッツアレラの野菜グラタンを食べる』の巻」
第4回になると、札幌の演劇人に読ませたいがために日澤雄介氏(劇団チョコレートケーキ)にインタビュー。過去に北海道で市民劇や公演があり、8月に演出を務めるon7『その頬、熱線に焼かれ』北海道巡演があるとはいえ、ちょっと唐突に思えますが、東京でトム・プロジェクトプロデュース『Sing a Song』をご覧になって、この記事を企画したのでしょう。「マサコさん」は、「札幌で演劇を観ていると、『何だか嘘っぽいな』と感じる作品によく出合う」そうで、挑戦的な記事だと思います。
「うそがない演技を求めて―劇団チョコレートケーキ主宰で演出の日澤雄介に聞く」
第5回は、iaku『粛々と運針』のプレビュー。ぜひ公演後のレビューも読んでみたいと思います。
「4年ぶりに札幌公演を行うiaku、新たな挑戦を横山拓也に聞く」
人口を考えると、札幌は日本で最も演劇が盛んと言っていいい街です。けれど、「マサコさん」の厳しい指摘を読むと、クオリティの面でまだまだ課題があるのかも知れません。常に東京と対比しながら、地元に客観的な目配りをしている「マサコさん」の存在は、貴重ではないでしょうか。