全国紙2021年演劇回顧記事URL

カテゴリー: 備忘録 オン 2021年12月26日

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産経新聞以外、全国紙の年間回顧記事が出揃いました。産経は2020年は2年ぶりに回顧記事が出たのですが、今年は掲載されるかどうか不明です。

各紙がコロナ禍2年目での公演成果を中心に伝えたのに対し、「公共劇場の舵取りに課題」の見出しで、AI・HALLの自主事業廃止をトップで伝えた日経の姿勢が目立ちます。「公共劇場に貸し館転換が広がることが懸念される」とし、各地の公共ホールでの芸術監督交代、ハードからソフトへの流れに触れ、「効率優先の趨勢に流されず、公共劇場ならではの役割を見すえるときだろう」としています。連名ですが、内田洋一編集委員の文章でしょう。朝日の藤谷浩二編集委員も、「社会と演劇をつなぐのに欠かせない各地の公共劇場は過渡期にある」としています。

舞台成果としては、NODA・MAP『フェイクスピア』、 KAAT神奈川芸術劇場プロデュース『未練の幽霊と怪物』の2作品が特に評価されています。後者は福島第一原発事故10周年、東京オリンピック・パラリンピック延期開催と重なり、衝撃を持って受け止められました。読売の森重達裕記者は、「(出演した森山未來が)東京五輪の開会式セレモニーで鎮魂のダンスパフォーマンスを披露したことも驚きだった」と加えています。一方で朝日「私の3点」は作品の重複が全くなく、嗜好の多様性を実感します。

各紙ともベテラン・中堅の成果を列挙していますが、かつての若手がいまや中堅となり、小劇場系の若手の名前をあまり目にしませんでした。読売が加藤拓也氏(劇団た組)の活躍を挙げている程度です。しかし、動員は少なくても新しい表現をしている若手は多数いるわけで、そうした成果をすくい上げる記述も欲しいと感じます。そうでないと、若い読者と新聞のギャップがますます広がっていくのではないでしょうか。

コロナ禍で東京に2劇場をオープンさせた劇団四季には、朝日が「演劇で自立するという浅利慶太以来の志は揺るがない」、日経が「演劇界のインフラといえる仕事の大切さを見直させた」としています。一方で、読売は地域における劇団経営のロールモデルだったわらび座の民事再生法適用申請を記し、現実の厳しさを伝えています。

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