この記事は2017年12月に掲載されたものです。
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全国紙2017年演劇回顧記事URL

カテゴリー: 備忘録 オン 2017年12月27日

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全国紙の2017年演劇回顧記事が出揃いました。朝日、毎日、日経は会員登録が必要です。読売は15年からネットでの回顧記事公開をやめています。社説と同様、回顧記事こそ新聞の見識を示すものとして、ネットで公開すべきだと思うのですが。

世田谷パブリックシアター『子午線の祀り』、新劇交流プロジェクト『その人を知らず』、SPAC『アンティゴネ』『マハーバーラタ戦記』など、共通して成果が強調されている作品は複数ありますが、5紙共に本文で挙げている作品はありませんでした。

日経・内田洋一編集委員は「蜷川幸雄が逝って1年、幅広い作品を手がけられる演出家の不足が覆いようもない」と書いていますが、巨匠の不在というよりも、価値観の多様化とそれによる評価の分散のほうが大きいのではないでしょうか。演劇においても、全員が推すような作品はもはや存在し得ないのかも知れません。

小劇場系では、前川知大氏(イキウメ)、古川健氏と日澤雄介氏(劇団チョコレートケーキ)、野木萌葱氏(パラドックス定数)に外部の仕事も含めて評価が集まっています。ほかに中堅・若手で複数紙に名前が挙がったのが、朝日と産経で中津留章仁氏、毎日と日経で詩森ろば氏、毎日と読売で長塚圭史氏、読売と産経でシライケイタ氏、小川絵梨子氏、長田育恵氏、読売と日経で岡田利規氏でした。

今年の産経は新聞記者ではなく、演劇評論家の河野孝氏が執筆していますが、小劇場系の劇作家が新劇に戯曲提供することが増えていることに触れ、「劇作家と劇団の制作サイドとの綿密な共同作業が必要視される舞台もあった」と記述。公共ホールの芸術監督に対しては、「創立の理念が希薄化しているのも実情で、原点に戻り芸術監督の役割を再考すべき時期に来ている」としたのが目を引きました。

昨年の産経は飯塚友子記者の記事が印象的だったのですが、「ミュージカルでもないのに俳優にマイクをつけた舞台があった」と批判して外されてしまったのでしょうか。残念。

各紙とも全く触れていませんが、2.5次元演劇への言及はそろそろあってもよいのでは、と思いました。

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