この記事は2015年6月に掲載されたものです。
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高校演劇Webマガジン「ゲキ部!」が「現役東大生の19歳が見据える、演劇と私の未来。」掲載、創客と演劇の意義について真摯に語る姿勢が頼もしい
高校演劇Webマガジン「ゲキ部!」が、全国高等学校演劇大会に出場経験を持ちながら東大に現役合格し、劇団綺畸で活動中の東未空氏へインタビューしています。三重県が地元の彼女は、高校1年で音楽劇『ファンファーレ』(2012年)の「MIE mix」に出演しています。
前後編の2回に分かれていますが、後編「現役東大生の19歳が見据える、演劇と私の未来。」では、「役者やスタッフだけが演劇に関わる道ではない」「“わざわざ”劇場に行くことに、どれだけ価値をつけられるか」など、今日的なテーマに対し考えを語っています。特に創客に関する発言が秀逸で、全文転載したくなるほどです。ぜひリンク元をご覧ください。
劇場に行っても見知った顔ばかりですよね。この間、『わが星』に演劇を観たことのない友達を連れて行ったら「すごい良かったけど、良かっただけに宣伝が下手なのが残念」って言われてしまって…。演劇って観たいと思っても情報をどこから仕入れていいかわからない。
今の小劇場は決まったところでしかお金が動いていない。そこがもうちょっとちゃんとならないと、制度がいくら変わっても同じだと思います。
観る人が少ないと言うわりには何もしてないなって、自分も含めて思うんです。だから、今、私がはじめたのは、とにかく自分が一緒に劇場まで友達を連れてくること。客席からいくら「面白いよ」と呼びかけたって、外にいる人は動かない。
『わが星』の「宣伝が下手なのが残念」というのは、内容がよかっただけに、もっと広く周知しないともったいない、という意味でしょう。これだけの作品なのですから、演劇ファンに知れ渡るだけで満足せず、普段演劇を観ない人にも伝えてほしいということだと思います。
「なぜ、演劇でなければならないのか」という難しい質問にも、真正面から答えています。演劇の本質をとらえた回答だと思います。
演劇は始まったらもう戻せないし劇場から出ていかないと観るのをやめることもできない。これって、すごく大層な言い方かもしれないけど、私たちが生活していることと重なるんじゃないかなって思うんです。私たちの人生も引き返すことはできないし、辛くても途中でやめることはできない。どんなにしんどい場面でも向き合っていかないといけない。そういうことを演劇を通して経験しておくことは、きっと私たちが生きていく上で何か価値がある。私はそう思います。
これだけ真摯に考える若い世代がいるのは頼もしいです。