この記事は2016年5月に掲載されたものです。
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「観劇三昧」日本橋店は制作者がオリジナルグッズを開発するための資料室だ
ネスクテージ(大阪市)が運営する「観劇三昧」日本橋店(大阪・日本橋)に行きました。各カンパニーのオリジナルグッズを取り揃えたリアル店舗で、ネスクテージの事務所を兼ねています。画像だと非常に広く見えますが、実際はもっと広いです。しかも未使用のスペースがあり、稽古場に使えないかと思うほどです。
商品一覧はオンラインショップ「観劇三昧物販出張所」でも見ることが出来ますが、リアル店舗は現物の質感までわかるため、グッズ担当の制作者は参考になると思います。例えば上演台本だと、コピーしただけのワイルドなものから、書籍と同等のものまで千差万別です。価格と造本が比例するとも限りません。現物を手に取りながら、相場感まで養えます。
親しいカンパニーでも、相手のグッズをじっくり手に取る機会は少ないと思います。私も初めて見るものが多く、一通りチェックさせてもらいました。特に印象に残ったのが時間堂『森の別の場所』上演台本で、用紙を含めた造本がオシャレでした。時間堂(本拠地・東京都北区)は上演台本の装丁に力を入れているようで、コレクションしたい気持ちになります。
現物を見たいと思っていた有料パンフレットもありました。2004年に発行された劇団☆世界一団『赤いキリンの思い出』アートブックは、劇団☆世界一団(現・sunday、本拠地・大阪府)10周年記念として、公演と同等の位置づけで制作されたストーリーのある写真集です。写真展も開催されました。表紙はレッドとネイビーがありますが、「観劇三昧」ではネイビーを半額の1,000円(税込)で販売。「赤いキリン」は港町のガントリークレーンを意味しますが、神戸大学出身の劇団☆世界一団ですから、ここは神戸港になります。
シアターキューブリック『樽見鉄道スリーナイン』シナリオ&ガイドブックも、現物を見ることが出来ました。実際のローカル線を使った体験型鉄道演劇を展開しているシアターキューブリック(本拠地・東京都墨田区)が、上演台本と沿線のガイドブックを組み合わせたもので、一般の旅行ガイドと遜色ない編集で驚きました。
公演DVDのブルーレイ化がどの程度進んでいるかも興味がありましたが、こちらはまだ数カンパニーという感じで、価格もこなれていないようです。
グッズを制作していないカンパニーも、ここで他団体の商品を眺めていると、ヒントをもらえるのではないでしょうか。