この記事は2016年8月に掲載されたものです。
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観客が劇場を気に入る理由は「立地」よりも「見やすさ」――コトブキシーティング公式Twitterのアンケート結果、仮設客席の小劇場こそ「縦の見切れ」に注意を
演劇ファン必見、劇場イス専門メーカー・コトブキシーティング株式会社のウェブサイト。「トピックス」には、製品記事に交じって関係者へのインタビューや観劇リポートもあります。
「舞台鑑賞が趣味」で「演劇制作をかじった」広報部員の方が担当されていますが、新たに「シアターコラム」というカテゴリーが新設され、Twitter上でアンケートした「○○だから好き! 私の『お気に入りの劇場』はコレ!」が7月29日に掲載されました。
1,038票の回答が寄せられた「あなたの『お気に入りの劇場』のお気に入り認定ポイントを教えてください」は、「舞台の見やすさ」が67%でダントツの1位でした。「立地などの利便性」は13%で3位。立地よりも見やすさが上位という結果になりました。
劇場イス専門メーカーですから、この点について詳しい説明があります。設計者が模型や3Dデータを駆使して座席配置を決め、それでも部分的に見えづらくなる個所をイスの千鳥配列、角度、座高などで補います。
公演ごとに仮設客席を組む小劇場の場合、こうした配慮が欠けることがあります。場当たり・ゲネプロの時間に押され、充分な確認をしないまま開場している公演もあると思います。fringeでは「これだけは読んでおきたい」記事として、ナレッジ「見切れを起こさない」で客席づくりとチェックの重要性を書いています。
固定席の中劇場へ進出すると見切れの心配が少なくなりますが、中劇場を使えるのは公演を重ねて人気を得たカンパニーです。逆に、経験の浅い若いカンパニーほど小劇場で仮説客席を組まなければならないわけで、これこそが小劇場演劇の抱えている制作面のハードルです。若い制作者ほど高いスキルを要求されるのです。「見切れを起こさない」を熟読し、研鑽を重ねてほしいと思います。
広報部員の方は小劇場系にも足を運んでいます。Twitterで交流していると、公演のときに取り上げてもらえるかも知れません。「シアターコラム」の次の記事が楽しみです。
時間堂『ゾーヤ・ペーリツのアパート』観劇後、プロデューサーの大森晴香さんにお会いしてきました。日本初上演の今作はロシアン・ブラック・コメディ。ぜひたくさん笑ってくださいね!とキラキラ笑顔の大森さん。31日迄計4公演、当日券アリです! pic.twitter.com/TctJ4yUpuP
— コトブキシーティング【公式】 (@kotobukiseating) 2016年7月29日