時間堂プロデューサー・大森晴香氏の「超・具体的な小劇場の課題と対策」に回答してみる

in 備忘録 on 2016年3月13日

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時間堂プロデューサーの大森晴香氏が、特設ブログ「時間堂スタジオリノベーション」で連載中の「火曜更新・時間堂、年商1億プロジェクト」。3月2日更新の「超・具体的な小劇場の課題と対策」では、他団体の制作協力をして気づいた「傾向と対策」を具体的に紹介しています。

他団体なので当日運営に関わる内容が多く、比較的簡単に答えが出るものもあれば、根源的な疑問も交じっています。私なりの視点で対策をコメントしてみました。問題解決の難易度も高中低でつけてみました。低は比較的容易に対策が打てるもの、中は対策はわかるが実現に困難が伴うもの、高はやりながら考えるしかないものです。

  1. 公演直前あるいは初日明けないと予約が伸びない!

    【難易度:中】これは、チケットの販売期間が短いことにも一因があるのではないでしょうか。当然ながら、短いと売れ行きの波を起こすのは困難です。長ければ、その過程で様々なプロモーションが可能です。販売期間はどのくらいが最適なのか、その間に自分たちになにが出来るのかを考えることから始めるべきです。

  2. お客さんが時間通りに揃わない!

    【難易度:低】「時間守らなくてもどうせ開演は押すものでしょって思っている演劇人の感覚がよろしくない」は同感ですが、平日ソワレで揃わないなら、開演時間が早すぎることも疑っていいと思います。開演時間自体を遅くし、その代わりオンタイム開演することを考えてみてはいかがでしょう。

  3. 劇場内の空調が難しい!

    【難易度:高】暖房はまだ衣服で調整出来るのですが、冷房は本当に厳しいです。書かれているとおり、空調と見切れは客席の2大チェック項目でしょう。これらはfringe blog「演出の都合で空調を切るな」も参考にしてください。コメント欄の「制作の人達には自分達が観劇する場合のことを考えて対応してほしいものです」を胸に刻んで。

  4. お金がないから制作は雇わない?!

    【難易度:中】これは制作を雇うかどうか以前に、責任を持てる主催者が公演中ロビーにいなくてもいいのかを考えてほしいと思いました。能力があれば、事前の制作業務を俳優が兼ねることは不可能ではないでしょう。けれど、小屋入りしてからは物理的に不可能です。当日運営の外注先やお手伝いさんだけに任せて本当にいいのかということです。

  5. 主催者がお客さんを呼ばない!

    【難易度:中】大森氏の意見はわかりますが、集客=手売りだけではないと思います。主宰や制作者がカンパニーのブランディングやプロモーションに大きく貢献し、その結果プレイガイドで売れるカンパニーになれば、立派に「中の人」として役割を果たしていることにならないでしょうか。要は得意分野で集客に貢献すればよいのでは。

  6. 欠員が出た!

    【難易度:高】「1~2月に公演を控えているなら、クリニックに頼んで稽古場でのインフルエンザ集団予防接種を12月中旬までに考えよう」で書いたとおり、インフルエンザは予防接種である程度防げるので、カンパニーが補助してでも予防接種させるべきでしょう。俳優が倒れた場合は次善の策を考えるしかありませんが、小劇場演劇ならば、その対応も含めて〈演劇的行為〉として見せたいものです。

  7. 当日精算のお客さんが来ない!

    【難易度:低】当日精算はもう全廃すべきでしょう。チケッティングが多様化し、いくらでも代替方法はあります。観客を信用しないということではなく、当日運営の負荷を下げ、それを他のサービス向上に充てるためです。観客が期待しているのは、当日精算の維持ではないと思います。

  8. 指定席チケットを持ってるお客さんが来ない!

    【難易度:低】ご祝儀代わりに大人買いするということは、関係者の身内のはず。相手を特定出来ると思いますので、当事者が直接会話したり手紙を書くことで、思いを伝えられるのではないでしょうか。なぜ、これが継続的な課題になっているのでしょう。身内が想定外の行動を起こして上演に支障を来すケースはままあります。それに比べると、他の観客に迷惑を及ぼさないだけよいと思います。

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